劇作家女子会ギ!

第一回
小林タクシーさん 編
〜正しさをまとわずに、より間違った方向へ〜

What’s「劇作家女子会ギ!」
劇作家女子会!メンバーが、毎回ゲストを「女子会!」にお招きして、楽しくいろいろお喋りする企画。
Be Our Guest!!

Guest
小林タクシーさん
 
劇作家、演出家、俳優、プロデューサー、Webデザイナー。ZOKKY主宰。
05年第14回ガーディアンガーデン演劇フェステイバル出場、08年佐藤佐吉賞特別賞受賞。09年CoRich舞台芸術まつり俳優賞受賞。
近年は、「みられたら、かちかちになるわよ」をコンセプトに結成された、つり目でドSの女王系偶像崇拝ユニット「ツリメラ」のプロデューサーとして辣腕を振るう。

Host
劇作家女子会 (坂本鈴/オノマリコ/黒川陽子/モスクワカヌ)


劇作家女子会ギ!第一回 小林タクシーさん 編
〜2013年1月31日。都内某所。
@ 坂本鈴(以下坂本):「劇作家女子会ギ!」第一回目のゲストは小林タクシーさんです! 小林タクシー(以下小林):よろしくお願いします。
劇作家女子会:よろしくお願いします。
坂本:タクシーさんは、前回の「劇作家女子会!」(※1)の公演は・・・・・。
小林:僕、見てないんですよ。
坂本:おお、大変失礼しました。
小林:見てないのに、来ていいんですか?っていうこと聞いたんですけど・・・・。
オノマリコ(以下オノマ):はい。
小林:来てくださいって言うので・・・・・今大変肩身の狭い思いをしています。
坂本:えーと前回の公演は、我らが「劇作家女子会!」の第一回公演として、皆が書いた短編戯曲を時間堂(※2)の黒澤世莉さんの演出で上演したんですが。
小林:ほう。
坂本:劇場でカフェなどもやりつつ、みんなで女の子っぽい格好をして、お洒落してフライヤー撮影したりとか。
小林:このフライヤー、素敵ですよね

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坂本:ありがとうございます。
黒川陽子(以下黒川):女子のコスプレみたいになっちゃったんですけれど。普段はもう全然女子っぽい格好をしないので。
坂本:女の子になりたい。
オノマ:ハハハ(笑)。
黒川:女の子になりたいねっていう。
小林:女子に・・・・なりたいっていう?
オノマ:女子会ってのも、コスプレのつもりで女子会してますんで。
坂本:女子をやってみようっていう。
オノマ:はい。
小林:なるほど。
オノマ:わかりづらいですか?
小林:いやいやいや。もう・・・・・女子そのものになっていったらいいんじゃないでしょうか。
オノマ:もう・・・・この(自分と「女子」との間の)溝を埋めていきたいという。
小林:溝をね。
オノマ:はい。
小林:いや、僕は皆さんの女子のところしか見てないですから。


奴隷と女子力の話

A 小林:黒澤世莉といえば、前回の「ツリメラ」(※3)のライブに出てたんですよ。
坂本:えっ!?
モスクワカヌ(以下ワカヌ):ぬっ!?
小林:奴隷として。
坂本:あらー。 黒川:えー。 ワカヌ:へー。
小林:なんか、ライブで小道具のサーベルを受け渡しとかしてましたねえ。楽屋でしばかれてましたよ。
オノマ:あ、本当ですか?
小林:ええ。「顔が濃すぎる」って。
坂本:いいねぇ。
黒川:坂本さんのお友達も「ツリメラ」で奴隷やってるみたいですよ。
坂本:あ、そうなんです。
小林:え、誰ですか?
坂本:ウチダ君。
小林:あ、ウッチー、そうなんですか。
坂本:そうなんです。
小林:彼、この日のライブでは奴隷リーダーでしたよ。
ワカヌ:奴隷リーダー?!(ガタッ)
小林:ウッチーが奴隷リーダーで、黒澤世莉さんはその下僕ですね。
坂本:おおう・・・・。
小林:ごめんね。なんかいたたまれない状況ですね。
坂本:いやいやいや・・・・・いいと思います。
オノマ:奴隷にリーダーがいるんですね。
小林:いやなんか黒澤君はライブの当日にぽっときたから、なんかやってくださいって言って・・・・・奴隷に。
オノマ:「ツリメラ」見に行きましたけど、なんか淡々とやってましたね。
小林:淡々とやってたねえ。
坂本:さすがさすが。
小林:顔が濃いから大丈夫だろうと。何も言わなくても語ってくれるだろうと。
坂本:ヒゲも濃いですよね。
小林:ヒゲと顔と性格が濃い。
オノマ:そのわりに女子度が高いっていう。
黒川:女子力ね。
坂本:高いね。
小林:それも含めて女子会なんでしょ?黒澤さん含めて。前回の公演は、時間堂とwithなんでしょう?
ワカヌ:はい。劇作家女子会×時間堂ということでやらせてもらいました。
オノマ:演出家は女子力が高い人を、という話で、黒澤世莉さんになったんです。
坂本:そうですね。皆でご飯食べてても、一番に「おかずシェア」をしてくれるような女子力の高さでした。
☆女子会!マメ知識☆ 説明しよう。「おかずシェア」とは、女子同士の食事もしくはお茶の席でありがちな「一口食べる?」「ありがとう?私のも一口どうぞ?」という、 女同士の友情を深めつつ、相手の分までなるべく色んな種類を少しでも多く食べたいという女ゴコロを満たす、昭和における「おでかけですか?」「ちょっとそこまで」 的なコミュニケーションのお約束である。女子界のオメルタの掟(※4)である。 ちなみに「おかずシェア」の掟を知らずに、女子とのカフェやらランチやらで相手と同じものを注文した場合、 「どうしてこいつ私と同じものを頼むんだ・・・」という呪詛と好感度が下がるという制裁が、当の男子が気づかぬうちに密かに執行されている。
ワカヌ:劇作家女子会でランチすると、みんな自分の皿は自分のものっていうことになる。
黒川:チーズカレー、チーズカレー、チーズカレーみたいなね。
坂本:みんな別々のもの頼もうよ!シェアしようよ!
小林:と、坂本さんは言ってるわけだ。
坂本:はい(笑)


「劇作家女子会!」のこれから〜私達、どうすればセンスよくなれますか?〜

B 小林:次はどうするんですか?
オノマ:この、毎回ゲストの方をお招きしてインタビューをする「劇作家女子会ギ!」の企画を続けていこうと思っています。
あとは、1〜2年に一回くらい、なんかやれたらいいねっていう。
坂本:公演をやりたいとは思ってるんですよね。ただ今後どういう方向で公演をうっていけばいいのか、ということもふんわりとしているので、
それを探しつつ、探している間に色んな人にお話を聞いてみたりしようよ・・・・という企画の第一回目が本日でございます。
オノマ:そこで「ツリメラ」プロデューサーのタクシーさんにお話を伺いたいなと。
坂本:なぜプロデュースしようと思ったか、何をプロデュースしようと思ったのかをお聞きしたいです。
小林:「ツリメラ」みたいなことをやりたいんですか?
坂本:それはちょっと違うかもしれないけど!ちょっと違うかもしれないけど!(大事なことなので2回言いました。)
黒川:私たちも、もちろん劇を見てもらいたいというのはあるんですけれど、女子だけで集まったら面白いよねっていうイベントの比重も大きな企画なので。
前回の公演では劇場をお洒落カフェっぽくして、劇作家女子会メンバーの手作りお菓子を振舞ったりしたんですね。
小林:それはお客様を女子ばっかりにしたいということではないんだよね?
黒川:そうですね。お客さんというか・・・・。
小林:でてるほうが。
オノマ:まあ、私たちが集まったら面白いんじゃないかと。
黒川:「ツリメラ」も、普段劇作家や演出家をされている方が歌ったり踊ったりしていて、なんかこう・・・・・すごいじゃないですか。
小林:うん。
坂本:女優さんでもあるけどね。
黒川:その経緯とか。ざっくり言えば、どうすれば私たちセンスよくなれますか?っていうことをお聞きしたいんですけれど。
坂本:あぅ・・・・あはははは・・・・・(哀しい笑い)
小林:センスよく、どういうことをやっていきたいんですか?ああいう(ツリメラの)感じでやっていきたい?
オノマ:ああいう感じではないんですけれど。劇作家というのが、堅苦しく思われるのが嫌だなあと思っておりまして。
坂本:前回の公演の企画会議でも、「女流劇作家短編集」みたいなことはやりたくないねって話をしていて。
小林:その、女流劇作家というのはどういう感じなんですか?
坂本;なんていうのかな。「女性の劇作家が書いた短編集やりますよ」ということにすると、すごく固いし、フェミニズム的なことをやりそうなイメージがあるというか。
小林:ふんふんふんふん。
坂本:そうじゃないことをしたい、と。
小林:書きたいことがまずありますよね。劇作家ですから。
オノマ:それはもう各々勝手に書くだろうと。それぞれ好きに書けばいいよというスタンスで。
坂本:そうね。
オノマ:なんか、「劇作家」って言った時に、こういう感じの(おそらく昭和の文豪をイメージしているであろうポーズをとるオノマリコ氏。)おじさんをイメージされるのが嫌ですし、 坂本さんがさっき言ってたように「女流」とかついちゃうと、なんかフェミニズムなことしてると思われるんじゃないかと。
小林:女流ってフェミニズムかなあ?
オノマ:「女流」ってつくとなんかそういう・・・・。これ、伝わるかどうかわからないんですけれど、劇作家界隈でいうところの「子宮でもの書いてる」感があるというか。
ウェイター:お待たせいたしました。プレミアムリッチコーヒーです。
―子宮の話、ウェイターの登場によりしばし中断―
小林:ちなみに聞いちゃいますけど、子宮でもの書いてる人って誰ですか?
オノマ:例えば・・・・・名前をちゃんと覚えてない人たちです。(キリッ)
坂本:ちょっと待って。
小林:ごめん。そこあんま突っ込んでもあれなところだったかな。
オノマ:いえ、本当に。言えないんじゃなくて覚えてないんですよ。
小林:いや、こうなりたくないっていうイメージを共有できれば、こうなりたいっていう話が出来るかなと思って聞いてみたんだけど。
坂本:おお。なるほど。
ウェイター:メキシカンピラフのお客さま〜。
小林:あ、メキシカピラフでーす。

―このあたりで、注文したオムライスやらメキシカンピラフやらアフタヌーンティーセットやらが続々登場。―
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要するになんかパッとした感じでやりたい

C 小林:・・・・要するになんか・・・・・・パッとした感じでやりたいっていうことですよね。
坂本:そうです!
オノマ:翻訳ありがとうございます。
黒川:「オシャレに楽しくふざけたい」というのが、そもそもの女子会!のコンセプトで。
小林:お洒落ね。
オノマ:そう。お洒落にやりたいんです。
ワカヌ:私達、じゃっかん地方都市っぽい感じがするというか。
オノマ:地方都市バカにすんなよ(おこ)
小林:まあま、モスクワさん・・・モスクワだし。見てはないんですけれど、9月にミュージカルをされてたとか。
ワカヌ:あ、はい。『Mademoiselle Guillotine〜マドモアゼル・ギロティーヌ〜』というタイトルで、フランス革命のミュージカルを書いて上演しました。
小林:キャッチーだよね。フランス革命とか。僕自身、大学の時に西洋史を専攻していたんで、素養として好きなんですよ。ギロチンとか「ツリメラ」でも使いたいですね。
オノマ:ああ、似合いますね。
小林:舞台ではギロチンは出たんですか?
ワカヌ:いえ。私が書いた舞台はギロチン擬人化ミュージカルだったので・・・。ギロチン台を女性が演じたんです。革命期の死刑執行は民衆の娯楽でもあったので、処刑のシーンも皆で歌い踊るとか、エンターティメントとして見せたくて。
小林:擬人化ということは、武器を持ったりとか?
ワカヌ:いえ。そこはベタにキスで殺すことにしました。
小林:ベタにっていう、その・・・・ベタがわかんない(笑)
ワカヌ:死の口づけって、よくあるじゃないですか。・・・・あれ?ベタじゃないですか?
小林:いや、死の口づけっていうからベタになるんだよ。
オノマ:ギロチン台がキスして人を殺してるっていうのは・・・・。
坂本:ベタじゃないね(笑)
ワカヌ:愛情の行為と死ぬってことが、私のなかで分ちがたく結びついてるんで。だって人を好きになったら死ななきゃいけないじゃないですか。
坂本:(タクシーさんに)ちょっとごめんなさい。
オノマ:すみません。ぶっ飛びました。
小林:人を好きになったら死ななきゃならない?
オノマ:あのーモスクワさんは、人を好きになったらどっちかが死ななきゃいけないと考えている人なので、出てくるものとかテーマはわりとキャッチーなんですけれど、その奥にあるモスクワさんが考えていることというのは結構・・・・。
小林:深遠なのかな?
オノマ:いや。反社会的。
ワカヌ:ちょっとぉ。深遠ってことにしといて、そこ。
小林:それはそのほうが盛り上がるからとか?
ワカヌ:うーん。なんていうか・・・・恋するって、それだけですごく盛り上がってなきゃできないじゃないですか。そんな状態で二人はいつまでも幸せに暮らしましたなんてありえないと思うんですよ。
小林:ドラマとしてね。
ワカヌ:うーん・・・・・。なんか嫌なんですよ。人を好きになっているのに両方生き残るとか。愛が足りないと思うんですよ。
坂本:いーやーー。
オノマ:それは現実でも嫌なんでしょう?
ワカヌ:うん。やだ。
小林:えっ?・・・・・あー、あれかな。私のものにならなければ殺します的な。
坂本:かなり近い。
黒川:なんかモスクワさんいわく、生身の人間を好きでいる限り安心できないから殺すしかないんだとか。
小林:冷凍保存するってこと?
ワカヌ:そうですね。やっぱり生きてる人ってリスキーじゃないですか。
小林:リスキーですよお。本当にリスキーです。
ワカヌ:心変わりするかもしれない。事故や病気で死ぬかもしれない。そういうことを考えると安心できない。
坂本:安心できないのが恋なんだよお! 小林:安心できないのが楽しいんだもんねえ。 坂本:そうです!
ワカヌ:私はそれを楽しむというよりは、そういった可能性を全排除して、完璧な世界をつくりたい。
オノマ:冷凍保存・・・・・。
坂本:ひぃぃいぃい・・・・・。
小林:でも手に入りにくいから盛り上がるっていうのもあるじゃないですか。
坂本:そうそうそうそう!そうですよ!
ワカヌ:そうなのかしら?
小林:そうなのかしらって感じですか・・・・・。
ワカヌ:そうですね・・・。
坂本:・・・・・スコーン、あったかいうちに食べたら?

みんなの作風
D 小林:ちょっと僕、ここ(モスクワカヌの恋愛論)から、今後の劇作家女子会!の行く道を探りますからね。
坂本:ちょっと待って。
ワカヌ:いいんですか?
黒川:大変なことになりそうなんですが。
小林:いや。個人から拾っていかないと。
黒川:あ、でもワカヌちゃんは「クールビューティー」になりたいらしくて。
小林:いやあ、クールビューティーですよお。
ワカヌ:ほらあ!(ドヤ顔)
小林:だって冷凍保存をしたい人だから(笑)。オノマさん以外の方とは今日が初めてなんですけれど、(坂本、黒川に)どういうものを書くんですか?
黒川:坂本鈴さんは「エロPOP」な作風です。
小林:おお、じゃあ同業じゃないですか。
坂本:あら。
黒川:私は・・・・最近思ってきたんですが、「人間になりたいのになりきれない」ところが、全部の作品に共通してるなと思って。なんかこう・・・・生まれた時から、自分の内面を人に見せると排除されるみたいな気持ちがあって。
小林:うん。
黒川:それはその、私が人間じゃないってことがばれるから、なんですけれど。
坂本:これちょっと、小林さんわかるかな?
黒川:わかんないかな?あの、えっと。
小林:それは自分の体験としてね?
黒川:はい。そうです。で、普通に日常を信用して生きていると、どこかにすっごい落とし穴があって「お前自分を人間だと思っただろ。」という感じでそこに落とされる。
小林:うん。
黒川:日常とか、普通の一般的な潮流とかを信じることって、結局人間性を破壊するんじゃないかという方向でテーマが広がっていって・・・・人間になりたいけどなれないし、人間てなんなんだろう?というところから始まる作品かなと。
小林:世の中に対するアンチテーゼのようなものを・・・・。
黒川:はいはい。
小林:示したいと。
オノマ:普通にのうのうと生きている人に対する、ちょっと斜めな目線があるよね。陽子さんは。
小林:常識を疑えという。
黒川:そうです、そうです。
オノマ:(黒川の作風は)だいたい物語の終わりの方で、なにが本当かわからなくなる。主体性があるようで、途中からみんな(主体性が)なくなっていく・・・・。
黒川:そうかも。
ワカヌ:あ。
坂本:ん?
ワカヌ:今なんか言おうとして・・・・・・
オノマ:うん。
ワカヌ:オムライス噛んだら忘れちゃったよ。

「ツリメラ」 〜みんなが見たがる新しいものを〜

E
ワカヌ:「ツリメラ」は今後も奴隷を増やしていくんですか?
小林:目的としてはセレブ感をだしたかったんです。マドンナとかのライブを見ると、半裸の男性とか、いっぱいいるじゃないですか。
彼らがいることによって「女王」が君臨できる。
劇作家女子会:あー。
小林:女王自身でなんとかするんじゃなくて、周りの環境を固めることによって「女王」にすることがそもそもの狙いですね。
ワカヌ:「女王」を出現させたかったんですか?
小林:うん。セレブを出現させたかった。音楽的にというか、マドンナとかレディ・ガガみたいなくくりの日本人アーティストって、今いないじゃないですか。
坂本:はいはいはい。
オノマ:確かに。
小林:例えば、安室奈美恵が一曲だけそういうのをとりいれて・・・・・ということはあるけれども、ガチでセレブ系の人はいないですよね。なのでそこは一つ、ニッチな穴かな、という思いはあって。
ワカヌ:小林タクシーさんの個人的な思いというよりは、今の音楽シーンを冷静に見て、ここ突っ込んでいける穴なんじゃないかというところから「ツリメラ」は発生した感じなんですか?
小林:なんだろう?自分でもちゃんと思い出せないんですけれど・・・・ただ彼女たちのビジュアルにインスパイアされている部分は大きいんじゃないですか?「ツリメラ」のメンバーについて、生身では知ってます?
黒川:私、生身では知らないです。
ワカヌ:葛木英さんを舞台で拝見したことはあるんですけれど、そのときは全然女王様キャラじゃなくて。魅力的だったんですけれど。「ツリメラ」の方とはわからなかったです。
タクシーさんは、皆さんを見て、女王として君臨している絵が浮かんだりされたんですか?
小林:いえ、彼女はわりと女王として君臨してるんですよ。主宰していた劇団のコンセプトが「王国」になっていて、自分はそこの主宰というか、女王なんだと。
ワカヌ:ほう。
小林:あだ名が「女王」なんです。
オノマ:あ、そうなんですか。
小林:皆さんもそれぞれ自分の団体では女王的なんじゃないですか?
オノマ:いや・・・・強いて言えば私だけが奴隷商人と呼ばれてます。私は女王的な君臨はしたくない人間なんですけどね。
坂本/黒川/ワカヌ:wwwwwww
オノマ:笑われてるけど。
小林:奴隷をいっぱいかってるんだ。
黒川:奴隷をいっぱいかってるんですよ。
小林:女王じゃないですか。
オノマ:いえいえ。皆さんのご好意でやってもらっているんです。
ワカヌ:と言うスタンスをとりつつ、「いつもありがとう。ところで明日までにこれとこれやってきて。」って感じだよね。リコさん。
小林:女王じゃん。
オノマ:友だちです。
小林:いや、女王というと、なんとなくイメージ悪い感じがするじゃないですか。高飛車とかワガママとか。でもかたやテンションがあがる存在でもあるでしょう?モスクワさんならきっとわかってくれると思う。
ワカヌ:女王。憧れますね。
小林:憧れるでしょう?マリー・アントワネットとか大好きでしょう?
ワカヌ:ええ。あれくらいの理不尽を他人に強いて生きていきたいです。
坂本: お  い   。
小林:だからそういう、開放感があるじゃないですか。憧れるじゃない。カッコイイ!というか。そういう人たちが3人集まって・・・・・そこで3人集める意味っていうのはよくわかんないんですけれど(笑)。なんか「圧」がでるかなという。
オノマ:でてます。でてます。

アイドル?いいえ、偶像崇拝ユニットです

F ワカヌ:同じように小劇場界発信のアイドルユニットに「38mmなぐりーず」(※5)がいるじゃないですか。
小林:はいはい。
ワカヌ:「38mmなぐりーず」は、方向性としては「AKB」のような、距離が近くて手作り感溢れるアイドルだと私は思っているんですけれど、「ツリメラ」は全く違うアプローチですよね。
小林:年齢的にもアイドルじゃないですし(笑)そうですね。彼女たちはアイドルじゃないんですよ。
オノマ:あ、すみません。アイドルって言っちゃってました。
小林:いや。最近よく言われるんですよ。なので言われたらここぞとばかり「いえ違います。偶像崇拝ユニットです。」と訂正してます。
坂本:偶像崇拝なんですか。
小林:「え、宗教なの?!」って言われますから。まあ、なかば宗教ですけれど(笑)
オノマ:この間のライブを見てきたんですが、本当に完成度高いし、大人がきちんとやっていますという格好良さがあって・・・・・・すごい楽しかったです。
坂本:感想になっちゃったYO!
小林:この間のライブ(※6)では、除夜の鐘をステージ上にバルーンアートでつくったんです。そのバルーンアートに「ツリメラ」がサーベル(剣)をつきたてて、108の煩悩を退散させるという演出をしたんです。
こう、ズズバーンン!!と。
オノマ:煩悩を一つ一つ言いながらでしたよね。
小林:あいうえお順に、50音順でね。「あ!・・・・愛されメイクで男に媚を売りまくったこと・・・・ズバッーーーーーン!!
坂本:煩悩!
ワカヌ:煩悩。
黒川:煩悩・・・・・。
小林:「いい加減な知識で、相手に尊敬されようとしたこと。」とか。最終的にはこう、鐘がめちゃくちゃになってね(笑)引きちぎられて。で、「わ」までやると全部で44個なんですよ。50音とかいいつつ(笑)
坂本:あと半分くらいどうするんですか?
小林:なので後はツリメラ様が「お前らが胸に手をあてて考えろ・・・・。」と。
劇作家女子会:おお〜〜〜〜〜。
小林:大反省会ですよ。オープニングで「ここに来たことを後悔させてやる」と。
ワカヌ:いいなあ、カッコイイなあ。
オノマ:ただアイドル好きとしては、客席はもうちょっと、あったまれよと思いました。まずステージに登場したら「オーッ!」と歓声あげろよとか。それに曲のノリもいいから、これ本当にただのオタク発言なんですけれど、曲中で「おい!おい!」って合いの手をいれてほしかったですね。
小林:コールをね。
☆女子会!マメ知識☆ 説明しよう。オノマリコはアイドルオタク。ちなみにAKBよりハロプロ派で、一押しグループはBerryz工房。 一緒にカラオケに行くと、曲の履歴がすごい甘酸っぱいことになるよ!
オノマ:ここらへんで「KIRAKIRA!」って叫べるなーとか思いながら見てました。
小林:それ、今度やってくださいよ。
オノマ:じゃあ次回のライブで頑張ります。
ワカヌ:私たち「劇作家女子会!」は「ツリメラ」のお三方みたいに歌ったり踊ったりできないし、持ち味も違うんですけれど、方向性としてはあんな感じの・・・「エンタメ」になりたいんだよね?
小林:エンタメになりたい。
坂本:「エンタメになりたい」ってなんだ?
オノマ:うん。私もね、今それなんだろうって考えてる。
ワカヌ:なんか「劇作家女子会!」というグループ自体が、エンタメみたいな。
坂本:うーん。それも一つあるね。でも、エンタメってなんだ?
オノマ:あいつら楽しそうなことやってるぞとは思われたいね。こんなイメージであってるかな?
坂本:何故いきなりここでのすり合わせが始まったんだ。
小林:なんかでも派手でキャッチーなイメージをもたれたいってことだよね。なにかしら、作家であるということ以外の。
坂本:そうですね。
オノマ:翻訳ありがとうございます。
小林:作家であるということは、ものを作る人であるということだから・・・・毎回変えたらいいんじゃないの?
オノマ:作品をですか?
小林:いや、例えば自分達のビジュアルイメージであるとか・・・。自分達に持たれるイメージを、こうしたいというテーマを毎回変えるとか。それが毎回極端に違ったら面白いですけれど。今回はマリー・アントワネット、次回は源氏物語とか。
ワカヌ:あ!みんなでウェディングドレス着ようよ!
坂本:残念な感じでいいねぇ。
劇作家女子会!:(爆笑)

僕たちの主戦場

G 小林:なんか、やりたいことを一つに決めるのも戦略ですけれど、そうするとそれしかやってないように思われるデメリットがあるので。色んな作品を書きたいんだったら、色んなことを毎回変えて言ったらどうかという。
坂本:それはでもすごく面白いね。
黒川:コスプレという形から入って、作品も変えていく。
小林:それをただのコスプレと思われないような、演劇的な工夫があったらいいなと思いますね。例えばフライヤーとして1枚写真をとったりするときにも、
ちゃんとそこにストーリーがあるとか。そういうのがないと、単なるコスプレ集団になっちゃう可能性がある。
黒川:確かに・・・・ストーリー。
小林:「ツリメラ」はよく「SMですよね」と言われるんですが。
オノマ:ちょっと違いますよね?
小林:まあ、否定はしないですけれど(笑)広い意味でのSMですよ。この間、ライブの記事をネットで書いてもらったんですけれど、「演劇と、音楽と、SMが融合した、新しいエンターティメント」と書かれていて。SMと言い切っちゃっていいのかなーと・・・・・。
坂本:キャッチーですけどね。融合って書かれちゃいましたか。
黒川:男性が縛られて吊られている写真(※7)が印象的ですよね。
小林:まあ、そう思われたい気持ちも少しはある。でも、完全にそうなんだと思われると違うんですよね。むしろ、演劇のお客さんにはSMだと思わせたくて、でもSMのお客さんには演劇だと思わせたいというところがあります。
ワカヌ:すごく微妙な線を狙ってるんですね。
小林:みんな新しいものが見たいわけじゃないですか。決まりきったものだとつまらない。
坂本:うん。
小林:なんというか・・・・音楽をやっている人たちって、MCがとても苦手なんですよ。MCに、ちゃんとセリフがあって、練習できて、ストーリーがあり演劇的にできたとしたら、それはとても魅力的に映ると思うんですよ。
それは一つの攻め方だなあと思っていて、「ツリメラ」にはそういうことをやってもらいたいという気持ちがある。
オノマ:MC、面白かったです。
坂本:そりゃあ。
オノマ:どこまでつくり込めているんですか?
小林:いや。MC、つくり込めてないですよ。僕はちょっと反省してます。もうちょっとできるなーと。・・・・たぶん、演劇を見慣れている人に演劇を見せても「ああ、演劇だね。」と言われて終わりになっちゃうので、演劇を見慣れていない人に、音楽の文法で演劇を見せたら、すごい驚いてくれると思う。
坂本:うあぁ。すごい、いい話ですね。今の。
黒川:確かに。
小林:で、そういうことを考えてきたんですが、ずっとやり方がわからなかったので・・・・。今、そういう線の引き方は面白いなと感じています。
オノマ:確かに。ライブで、MCの間中ずっと恥ずかしそうな人いますもんね。
小林:「どうしよう?」みたいになるでしょー?こっちが(笑)
オノマ:曲を始める前の調整としてMCをしなきゃいけないからやるけれど、だけど俺恥ずかしいです、みたいな。
小林:そんなの見せられても困るわけじゃない(笑)だって、我々の主戦場はさ、言葉をしゃべる・・・・「言葉」でしょう。
オノマ:そうですね。
小林:それは「ツリメラ」でも生かせるなと思って。
ZOKKY 〜のぞき部屋演劇〜

H 小林:昔ぼく、「のぞき部屋演劇」というのをやっていたんですよ。
坂本:寺山修司的な?
小林:よく言われるんですけれど、よく知らないんです、寺山修司(笑)
坂本:あらま。
小林:そののぞき部屋演劇・・・「ZOKKY(ゾッキー)」というんですけれど。小さなスペースの四方を壁で囲って、一箇所だけ穴開けて、お客さん一人しか見れないっていう。
その覗いているお客さんに対してしか役者は演じてないから。目があったりとかもね。結局のところ、自分が見なかったら誰に対して演じているのかわからない、という緊迫感があるわけですよ。一人が一人のためにやってるって、エンターティメントとしてなかなかないと思うんですよ。
その緊張感のなかで行われる演劇というのが、僕のなかですごい刺激的だったんです。それを最初は原宿のギャラリーで見せてたんです。
オノマ:ギャラリーで。
小林:ええ。なんであまり告知をしないで・・・・。フリーのギャラリーで人の出入りがよくあったので、その場で・・・・。
オノマ:来た人に見せる、みたいな?
小林:ええ。自動販売機みたいな外観で、作品タイトルの札がこう下がっていて・・・・「100円いれてヘッドフォンしてくださーい。」と(笑)
坂本:ほええ。
小林:1本5分くらいなんですけれど、それを1日100回くらいまわしてました。
黒川:すごい!
小林:役者さんもすごい充実してやってくれてたというか・・・・。やったことがないことだから。1人をノックアウトさせなきゃいけないっていうことをね。
ワカヌ:真剣勝負。
小林:そうそうそうそう。だからすごい疲れるけれど。まあ、またやりたいなあと思って・・・・。とりあえず「ツリメラ」で「ZOKKY」というタイトルの歌を1曲つくっておけば、「ZOKKY」という言葉だけは広まっていくだろうと。で、広がりきったところで、「これがZOKKYなんです。」と出したい(笑)
黒川:あはは。なるほどね。まあ素敵。
坂本:うんうん。
小林:すごいインパクトあるだろうなと。
ワカヌ:すごい・・・マーケティング戦略。
小林:ふはははははは。いやでも、うまくいったらの話ですよ(笑)
黒川:「ZOKKY」の歌を動画で見たんですけれど、振り付けもすごかった。かっこよかった。
小林:ただ彼女たちは女優だから。もちろん歌えるし踊れるけれど、キャラクターであるとかMCであるとか、やっぱり武器は演劇じゃないと。それで戦っていかないと、とは思います。
オノマ:じゃあ、これから「ツリメラ」の方々が「ZOKKY」をすることもあるんですか?
小林:あ、でも昔「ツリメラ」のうち2人は出たことがあるんですよ。最初もともとは、のぞき部屋をやりませんか?と言って集めたんです。
坂本:ふーむ。
小林:そしたら、もうちょっとなんか色んなこと出来るよ、という話になって・・・・じゃあCDだそう、ということに。
黒川:ジャンプがすごい。
坂本:いやあ。
小林:なんかよくわかんないんだけどね(笑)俺が多分盛り上がっちゃった。
taxi_01(6)mini.jpg

ツリメラ〜より間違った方向へ〜


I
オノマ:すごーく話は変わるんですが、最近、大久保のデモとか嫌だなーと思うんですよね。
ワカヌ:うん
オノマ:大久保は考え方が嫌なんですけど、原発のときもデモにはうまく加われなくて。結局「?反対!」と声に出すことが辛いんだなと。皆さん歌や楽器で楽しく上手にデモをやるんですけど、私はどうしてもそれは合わない。今日も電車のなかでどうすればいいのかなって考えておりまして。いっそ「LOVE中韓デモ」をやるっていうのはどうかな、と。
小林:殺されるね。
オノマ:殺されますかね。でも「嫌い」って言うより「好き」って言うことをやりたいんですよね。それなら言えるんですよ。でも結局それってヒッピーみたいになっちゃうのかな。
坂本:「嫌い」っていうのの何が嫌なの?
オノマ:なんというか、人の話を聞かない感じ?何を言われても、はね除けるぞって感じがして。
小林:左でも右でも、お互いの話を聞かないのは嫌だよね。これはライブでやったんだけど、ツリメラって政党立ち上げたんだよね。新党ツリメラ。

★「新党ツリメラ」のマニフェスト★
・日本の全原子力発電所を破壊、その後は奴隷制を敷き、人力発電を実施
・オリンピック開催に向け、東京23区を完全に焼き払う(破壊なくして創造なし)
・政教分離を廃止、ツリメラを崇める新宗教を国教に
・一家に一枚ツリメラのポスターを飾ることを義務化
・つり目の女性を優遇、国務大臣に積極登用
・つり目が優遇される社会を実現?・憲法を改正、国名を「ツリメ朝ペルシア」とする
・最終的にはユーラシア大陸全土にまたがる統一国家を形成


オノマ:「ツリ目朝ペルシア」、大好きです。
小林:いいでしょう。原子力発電所を破壊って聞くと身構える人もいると思う。だけどそこで、奴隷に人力発電させますって続くとなんでか受け入れられる。より間違った方向へいっているのに(笑)
モスクワ:それいいですね。右や左ではなくて、より間違った方へ
小林:「正しさ」をまといたくないなっていう。
黒川:それでより間違った方向へ(笑)
小林:そうそう。

2014年 ウマ年によせて 

J 小林:劇作家女子会も、メインが何かを考えるよりも、色々やると勝手に場が動くんじゃないですかね。CD出したらいいんじゃないですか?
黒川:CDはちょっと。(即答)
オノマ:「ツリメラ」の皆様は歌が上手かったですね。私たちはメインは劇作ですが・・・・。
小林:だから、「なにか」プラス劇作だと、すごい劇作が響くんじゃない?
オノマ:「なにか」・・・・・。
坂本:「なにか」
黒川:「なにか」
ワカヌ:キャラ?
黒川:まあワカヌちゃんはキャラすごいけれど。
オノマ:キャラ立ちしてるから。
黒川:(小林さんに)ワカヌちゃんは小さい頃ペガサス(※8)になりたかったらしくて。
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ペガサスか馬になりたかった女モスクワカヌ(手前)。微笑か嘲笑か微妙なラインの黒川陽子(奥)

小林:うん。もう色々ぶっとんでるね。
ワカヌ:子供の頃だよ?動物になりたかったでしょ?
坂本:い や 。
オノマ:そしてなれると信じていた。
ワカヌ:信じてたよ。でも、でも、大人になってからは信じてないよ。10歳で気づいたからね。
坂本:・・・・・・遅いよね。
オノマ:10歳で気づいて、泣いたんだよね。
ワカヌ:泣いたよ。
小林:馬ぁ?
ワカヌ:私子供のころ、人間は20歳を迎える時に、このまま人間でいくか、動物になるか選べると思ってたんですよ。
全員:・・・・・・・・・・・・(゜ロ゜)
ワカヌ:だから10歳になって、自分はこのまま一生人間なんだと気づいた時に・・・・泣きました。
小林:・・・・その選べるっていうのは・・・どこから来たの?
坂本:そう!そこ!そこです!
黒川:どこ情報なの?
ワカヌ:何がって明確なあれはないんですけれど、小さい頃に悪いことすると「そんなことしたら生まれ変わった時に虫になっちゃうよ。」みたいな怒られ方をよくしていて。
小林:輪廻転生的な。
ワカヌ:その刷り込みに、色んなファンタジーが混ざり合った結果、自分の中でそういうルールが出来てしまったのかと。
坂本:ふはは!
ワカヌ:だから私、世の中の嫌な虫は、みんな悪いことした人だと思ってた。死刑とかみたいに、虫になる刑があるんだと。
坂本:それはありそうだね。魔法があるってことだね。
小林:じゃあ、変身させてくれる魔女みたいな人がいると思ってたの?
ワカヌ:うーん。子供だったんで曖昧ですが、なんかそういう・・・・成人になったら選ばせてくれる誰かがいるんだろうなと。
坂本:公的機関が?
ワカヌ:そう。公的機関。
坂本:すげーなー。
小林:ハローワーク的な・・・・。
オノマ:「あなた、馬どうぞー」的な。
黒川:一回あれだよね。ペガサスは自分には荷が重いから馬にしようって、夢のグレードを下げたんだよね。
ワカヌ:そう。下げた。
黒川:にも関わらず、なれない。ふははは。
坂本:かわいそう(笑)妥協したのに(笑)
ワカヌ:二十歳すぎて人間でいるつもりなかったから・・・困りました。馬になりたかった。
小林:うん。納得した。
ワカヌ:ありがとうございます。
坂本:ごめん。もうちょっと付き合いきれない。
ワカヌ:なんで?!

劇作家女子会! Produced by 小林タクシー

K 小林:嫌だよね。馬(笑)
坂本:嫌です!
小林:劇作家女子会!・・・・・馬。
オノマ:馬?
小林:みんな馬なのに・・・・戯曲が書けます(笑)
坂本:え。
小林:すごい衝撃じゃない?衝撃じゃない?もういっそ皆の顔とか一切ふせてさ、本物の馬を並べとくとか。
オノマ:(笑)ワカヌちゃん、綺麗な馬を選んであげるよ。
ワカヌ:うん!白馬でお願い!
黒川:1人だけ白馬でいいよ。
ワカヌ:うわー!超テンションあがるわー!
小林:よくない!?「劇作家女子会」を馬にしようよ!すっごいプロモーションビデオとかつくってさ。馬がすごい走ってるやつ(笑)
すげー!「劇作家女子会」走ってるー!でもこの人達脚本が書けるらしいよー!
オノマ:こんなに馬なのにー!
小林:馬なのにー!・・・・・すごい(笑)これすごいよ。すげえよ。そうしよう?
ワカヌ:やりたい!
黒川:長年の夢が叶うね(笑)
小林:こんなの、誰もやってこなかったと思いますよ。
ワカヌ:私はわりと乗り気だよ。
小林:ただねー、写真と動画だけの露出になっちゃうよね。
坂本:もう現場に本体はいっさい顔ださない(笑)
小林:オフ会は中山競馬場で。
オノマ:うちら競馬の馬なの?!
小林:普段は走ってます。
オノマ:働き者だ・・・・。
坂本:働き者だよね。走って書いて(笑)
小林:でも本当に真剣に考えるとさ、劇作家だから、生身の人間がでてこなくても何にも言われないじゃない?むしろ普通はでてこないものじゃない。だから何やったっていいと思うんですよ。
坂本:なるほど。
小林:馬でもいいし・・・・今馬以外のいいものでてこないけど、もう馬しか考えられないけれど、やっぱり馬じゃないかなーっていう(笑)
劇作家女子会!:(笑)
小林:誰か対抗馬をだしてさ(笑)そうやってキャラクター化していくのは面白いと思う。劇作家とはとうてい思えない人たちが劇作してたら面白いじゃない。
坂本:なるほどー。
小林:劇作家女子会と言いつつ、明らかに全員おっさんがでてくるとか(笑)で、「心は女子なんです(キリッ)」みたいな。そういうのキャッチーなんじゃないかと。女子になりたいのに女子になりきれない切なさもあって、共感をよべたりとか。
ワカヌ:面白いねえ。
小林:なんか・・・・女子そのものじゃないほうが、僕は、劇作家女子会という名前にするんだったら響くと思う。女子になりたい何か、だと、劇作家女子会ということが引き立つ気がするね。
坂本:それは確かに大事にしたほうがいいかも。面白い。
小林:ていうか、俺すごいプロデュースしてるね(笑)
劇作家女子会:ありがとうございまーす!!
小林:なんか楽しくなっちゃった。観てないのに(笑)
劇作家女子会:(爆笑)


坂本:本日は、年末のお忙しい中お越しいただいて本当にありがとうございました。
オノマ:劇作家女子会のプロデュースまでしてもらって感謝です。
ワカヌ:ウマ年、頑張ります。
黒川:タクシーさんの、表現者としてのポリシーとか、伺えてよかったです。
小林:いえいえ。楽しかったです。ありがとうございました。
劇作家女子会!:ありがとうございました!!

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文中の注釈 ※1  2013/6/13〜16まで王子小劇場にて公演された、「劇作家女子会!」の第一回公演。 坂本鈴、オノマリコ、黒川陽子、モスクワカヌの4人がそれぞれ短編戯曲を持ち寄り、時間堂の黒澤世莉氏の演出で上演。
※2  演出家・劇作家の黒澤世莉氏を代表とする演劇団体。 「デートで行きたくなるような、素敵な演劇体験をお届けすること」を目標に、都内を中心に活動中。
※3 小林タクシー氏がプロデュースする、「みられたら、かちかちになるわよ」をコンセプトに結成された、つり目でドSの女王系偶像崇拝ユニット。 メンバーは演劇・映画で活躍する女優GASAGASA(岡田あがさ)、KIRAKIRA(葛木英)、MUKUMUKU(赤澤ムック)の三人。
※4 シチリアのマフィアにおける約定。別名「血の掟」とも言われる。
※5 東京の小劇場の舞台で活躍する女優たちで結成されたアイドルユニット。
※6 2013/12/28に、下北沢GARAGEにて開催された「ツリメラ」のLIVE。
※7 「ツリメラ」のHP(http://tsurimela.jp/index.html)でご覧いただけます。
※8 羽の生えた馬。ギリシア神話にでてくる。