ZOKKY 〜のぞき部屋演劇〜

H 小林:昔ぼく、「のぞき部屋演劇」というのをやっていたんですよ。
坂本:寺山修司的な?
小林:よく言われるんですけれど、よく知らないんです、寺山修司(笑)
坂本:あらま。
小林:そののぞき部屋演劇・・・「ZOKKY(ゾッキー)」というんですけれど。小さなスペースの四方を壁で囲って、一箇所だけ穴開けて、お客さん一人しか見れないっていう。
その覗いているお客さんに対してしか役者は演じてないから。目があったりとかもね。結局のところ、自分が見なかったら誰に対して演じているのかわからない、という緊迫感があるわけですよ。一人が一人のためにやってるって、エンターティメントとしてなかなかないと思うんですよ。
その緊張感のなかで行われる演劇というのが、僕のなかですごい刺激的だったんです。それを最初は原宿のギャラリーで見せてたんです。
オノマ:ギャラリーで。
小林:ええ。なんであまり告知をしないで・・・・。フリーのギャラリーで人の出入りがよくあったので、その場で・・・・。
オノマ:来た人に見せる、みたいな?
小林:ええ。自動販売機みたいな外観で、作品タイトルの札がこう下がっていて・・・・「100円いれてヘッドフォンしてくださーい。」と(笑)
坂本:ほええ。
小林:1本5分くらいなんですけれど、それを1日100回くらいまわしてました。
黒川:すごい!
小林:役者さんもすごい充実してやってくれてたというか・・・・。やったことがないことだから。1人をノックアウトさせなきゃいけないっていうことをね。
ワカヌ:真剣勝負。
小林:そうそうそうそう。だからすごい疲れるけれど。まあ、またやりたいなあと思って・・・・。とりあえず「ツリメラ」で「ZOKKY」というタイトルの歌を1曲つくっておけば、「ZOKKY」という言葉だけは広まっていくだろうと。で、広がりきったところで、「これがZOKKYなんです。」と出したい(笑)
黒川:あはは。なるほどね。まあ素敵。
坂本:うんうん。
小林:すごいインパクトあるだろうなと。
ワカヌ:すごい・・・マーケティング戦略。
小林:ふはははははは。いやでも、うまくいったらの話ですよ(笑)
黒川:「ZOKKY」の歌を動画で見たんですけれど、振り付けもすごかった。かっこよかった。
小林:ただ彼女たちは女優だから。もちろん歌えるし踊れるけれど、キャラクターであるとかMCであるとか、やっぱり武器は演劇じゃないと。それで戦っていかないと、とは思います。
オノマ:じゃあ、これから「ツリメラ」の方々が「ZOKKY」をすることもあるんですか?
小林:あ、でも昔「ツリメラ」のうち2人は出たことがあるんですよ。最初もともとは、のぞき部屋をやりませんか?と言って集めたんです。
坂本:ふーむ。
小林:そしたら、もうちょっとなんか色んなこと出来るよ、という話になって・・・・じゃあCDだそう、ということに。
黒川:ジャンプがすごい。
坂本:いやあ。
小林:なんかよくわかんないんだけどね(笑)俺が多分盛り上がっちゃった。
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ツリメラ〜より間違った方向へ〜


I
オノマ:すごーく話は変わるんですが、最近、大久保のデモとか嫌だなーと思うんですよね。
ワカヌ:うん
オノマ:大久保は考え方が嫌なんですけど、原発のときもデモにはうまく加われなくて。結局「?反対!」と声に出すことが辛いんだなと。皆さん歌や楽器で楽しく上手にデモをやるんですけど、私はどうしてもそれは合わない。今日も電車のなかでどうすればいいのかなって考えておりまして。いっそ「LOVE中韓デモ」をやるっていうのはどうかな、と。
小林:殺されるね。
オノマ:殺されますかね。でも「嫌い」って言うより「好き」って言うことをやりたいんですよね。それなら言えるんですよ。でも結局それってヒッピーみたいになっちゃうのかな。
坂本:「嫌い」っていうのの何が嫌なの?
オノマ:なんというか、人の話を聞かない感じ?何を言われても、はね除けるぞって感じがして。
小林:左でも右でも、お互いの話を聞かないのは嫌だよね。これはライブでやったんだけど、ツリメラって政党立ち上げたんだよね。新党ツリメラ。

★「新党ツリメラ」のマニフェスト★
・日本の全原子力発電所を破壊、その後は奴隷制を敷き、人力発電を実施
・オリンピック開催に向け、東京23区を完全に焼き払う(破壊なくして創造なし)
・政教分離を廃止、ツリメラを崇める新宗教を国教に
・一家に一枚ツリメラのポスターを飾ることを義務化
・つり目の女性を優遇、国務大臣に積極登用
・つり目が優遇される社会を実現?・憲法を改正、国名を「ツリメ朝ペルシア」とする
・最終的にはユーラシア大陸全土にまたがる統一国家を形成


オノマ:「ツリ目朝ペルシア」、大好きです。
小林:いいでしょう。原子力発電所を破壊って聞くと身構える人もいると思う。だけどそこで、奴隷に人力発電させますって続くとなんでか受け入れられる。より間違った方向へいっているのに(笑)
モスクワ:それいいですね。右や左ではなくて、より間違った方へ
小林:「正しさ」をまといたくないなっていう。
黒川:それでより間違った方向へ(笑)
小林:そうそう。


→そのEへ続く