”またやっちまった… はぁ〜〜 どうしてこうなるかなー ユノはソファーに寝転び、頭を抱えた。 あいつの事になると、見境つかなくて… わかってんのに!パフォーマンスだって。恥ずかしがりのあいつが一生懸命やってるって なのに、なんで俺は子供みたいに焼きもちやいて… あ〜〜 また怒らせちまった… そりゃ怒るよな… 俺だって怒るよ… ステージの上の事で嫉妬されて、やいやい言われたら… しかも、成功したと思って喜んでる時に…    チャンミナ、いつもいつも我慢してるって、ずっと辛い思いしてきたって… 怒った顔で言ってたな… そんな風に思ってたんだ… あ〜〜〜可愛い。なんて可愛いんだよ〜 愛されてるなぁ〜俺” ゴロリとひっくり返り、クッションを抱え、チュッ!チュッ!とクッションにキスをした ”…  チャンミナ 早く帰ってこないかな〜〜” 「なぁー面白そうじゃん!賭けようぜ!! チャンミン拉致しましたって言って、その東方神起のリーダー呼び出したらすぐ来るかど うか」 「浅野さん、かなり酔ってますね… 拉致したなんて言ったら警察沙汰ですよ」 「お!そうか、ブッキーおめえも酔ってるくせに、まともだな。ハハッ」 「何言ってるんですか。そんなの誰でもわかりますよ」 「おい!桐谷!!おまえ、なんか面白い事考えろよ!!」 「浅野さん、なんですかー急に俺ですか?… ほんだらチャンミンが浅野さんに食われそ うですから、助けにきてください。いうたらどないです?それで来たらこいつらガチです な」 「それはないんじゃないですかー?ただのグループメンバーでしょー」と妻夫木が言うと 「いやーあの目つきは普通じゃなかったですよ…それにチャンミンもいやに安心してるっ ていうか」溝端が反論する。 「見てみたい!!どんなだか見てみたい!!チャンミンがどんな顔してそいつ見てるのか。 おい!桐谷!!何とかしろよ!俺、退屈してんだよ!このおもしろそーな状況、利用しな い手はないぜ!」 「そんなん知りませんよー。浅野さんの酔狂に付き合ってられませんよ… ……  えーーっと、ほんだら誰が呼びだす??やっぱ淳平やな。今日会ってるしな」 「桐谷さん!!!!結局はのってるじゃないですか!」溝端が突っ込む。 「みんな〜やめなよ、浅野さん人が悪いっすよ!それ退屈しのぎでする冗談じゃないでしょ もし…もしもですよ… チャンミンが…そのリーダーと…そのまじでガチだったとして、 それわかって… 面白いっすか??」妻夫木が真面目な顔でそう言うが 「面白いじゃねーか!!!こんなに面白い事はねーな。こいつら世界中の女にモテモテな んだろ?ファンクラブの会員数もとんでもない数だって聞いたぜ。 そんな奴らがだよ!グループ内で…しかも男どおしでガチだなんてよー。最高じゃねーか! いったい何人の女騙してるんだ!っつう話だよな」 浅野は酔った勢いも手伝い一人で盛り上がる。 「桐谷!!考えろ!」 説得して止めさせようとしていた、妻夫木も浅野の勢いに圧倒され、諦め顔で口をつぐんだ。 「なんで、俺やねんなー 浅野さん、かなんなぁー」桐谷が文句を言うが、ニヤニヤと楽し そうに、 「浅野さん、どうしたいんです??」 「チャンミンの色気がそいつのせいかどうかが知りたい。女なんかだったらガッカリだぜ」 「ほな、やっぱりそのリーダーに来てもらわん事にはあきまへんなー」  そんな周りの悪だくみにもいっさい気づかずにチャンミンはソファで深い眠りに落ちて いた。  ユノは長い時間チャンミンの帰りを待ちながらDVDを観ていたが、いつの間にかコクリ コクリと舟をこいでいる。 ブーブーブーブー ユノの携帯が鳴り 「あ!」ユノが飛び起きて携帯を手に取る。 「チャンミナかな…  知らない番号だ…」しばらく様子をみるが、鳴り続ける携帯に そっと耳を当てる。 「…  はい …」 「あ!良かった。出てくれて… ユンホさんですよね?溝端です。わかります??今日 コンサート見に行った、溝端淳平です」 「あー溝端さん、今日はありがとうございました」ユノの答えを遮る様に溝端が 「ユンホさん!チャンミンさんが大変なんです!!」 「え?チャンミンに何か!?」ユノは思わず立ち上がる。 「それが…あの…  あ…浅野さんがチャンミンの事気に入っちゃって…」 「あ・さ・の・さんですか??」 「ええ、共演してた俳優さんで、奥さんもいるんですけど…なんか急に酔った チャンミンが妙にそそられるとか言いだして…」 「そ・そ・ら・れ・る???」 「あ、わかりませんか? えーっと簡単に言うと…  抱きたくなったって…」 「え!!??」ユノの顔色が変わる。 「それで、酔ったチャンミン連れていかれちゃって…」 「どこですか!?どこに連れていかれたんですか!?」 「わからないんですけど、たぶんリッツカールトンのスイートじゃないかと…」 「リッツカールトンですね?」 「あのユンホさん、僕が言ったって浅野さんには言わないで下さいよ。怒ると怖いんです よ、あの人…  それとあの…チャンミンさんも男だし…体大きいから…大丈夫ですよ」 「ツーツーツーツー」 「切れてるよ、すでに」溝端は周りで聞き耳をたてていた、他のメンバーに言った。 「さぁ、楽しくなってきたぞ!」シャワーを浴びて、バスローブを着た浅野がベッドに横 たわるチャンミンを見て、ニヤリと笑った。