Beat it Beatit〜♪  大きな声で歌うユノの楽しげな様子と、ソファーに広げたユノからのお土産にチャンミ ンは頬が緩んだ。  ペアのペンダントにペアのTシャツ、ペアのズボンにペアのリュック 「よくもまぁこんなに全部ペアで買えたもんだな。ヒョンどんな顔して選んでたんだろ?」 「フーーー!」マイケルのように叫び、タオルを腰に巻いただけの姿で、髪をゴシゴシ乾 かしながら、ユノは部屋に戻ってきた。 「チャンミナ、何ニヤケてんの?」 「ヒョンがどんな顔して、これ買ったのかと想像してたんだよ」 「いやー楽しかったよ!こっちだと周りの目気にしてペアなんか中々買えないけど、むこ うだとみんなに見つからないから、気兼ねなく買い物出来たよ。どうせ一緒には着れない けどな…さ!お待たせ」そう言って、チャンミンの手を引っ張りズンズンと寝室へ進んだ。 「あのさ、あのさ …ヒョン…むこうで誰かと逢った?」 「誰かって?」ユノは不思議そうにそう聞きながら、チャンミンをベッドに押し倒す。 「先生とかじゃなくてさ…」押し倒されたまま、のしかかってくるユノの顔を見つめて言 った。  ユノはチャンミンの顔の両側に手をつき 「あーそういえば、BOAに逢って、みんなで飯食った…」 「BOA先輩?」 「なんかレコーディングで来てたみたいで、スタッフが教えてくれて、一緒に飯食ったん だ…なんだ、チャンミナ誰かに聞いた?それで、またやきもちか!?BOAだぜ???」 納得のいかない表情でユノは上からチャンミンを見下ろした。 「え…いや… BOA先輩は知らなかった…」 「何だよ… 他には別に誰とも会わなかったけど!?」少しイラッとした様子でユノは答 えた。  チャンミンは「ごめん、ちょっと聞いただけ」と言い、ユノの首に両腕を巻き付け、引き よせた。 「変な奴!」そう言いながら、ユノの優しい唇がチャンミンの首すじをさまよった。 チャンミンはユノのその返事にホッとした。 「チャンミナ…明日の予定は?」 「ボイストレーニング…」 「ふ、じゃぁ大丈夫だな」   「…  …  ハァハァ …  ァ…  ヒョン …」 止まる事なくつづくユノの激しい愛撫にチャンミンは息も絶え絶えだった。 「…  もうダメだよ …  ヒョン… もう… や … ァン …」 綺麗な首すじを仰け反られて、そう漏らすチャンミンに 「またそんな可愛い声で俺をそそるんだな…」そう言って綺麗な首すじにキスを降らせた。 チャンミンを弄ぶユノの指は止まらない… 「や…  やめて…  ァ…  ッフゥ…」 「ほんとにやめていいのか? え?」と言って チャンミンから指をパッと離し、挑発するよな目で見た。  チャンミンは思わず体から離れたユノの指を引き戻したい衝動にかられ、手でくうをつ かんだ。 「フフ…欲しいんだろ?正直に言ってみろよ!チャンミナ、やめないで、もっと、もっと って言ってみろよ、チャンミナ…どうして欲しい?」ユノが意地悪い目でチャンミンを見る。  チャンミンは肩で息をしながら、キッとユノを睨みつける。 「いいねぇーその眼…ゾクゾクする」唇を重ねながら、言葉を移す。 「言ってみろよ…チャンミナ」  下腹や内腿背中や尻を撫でまわし、一番触れて欲しい肝心な所には触れないユノに、し びれをきらし、チャンミンはユノの手を掴み、触れて欲しい所まで、導いた。  それでもユノはチャンミンの胸に顔を埋め綺麗な胸筋の上にある、可愛い突起を舌で刺 激するばかりで、チャンミンにある手は包み込んだままだった。 「…ん〜  … ヒョン…  お願いだから…  ァ…」 「ん?何?聞こえないね、何だって?」  そう言いながら、チャンミンを包み込む手を離したり、触れたりとを繰り返した。 「… あーもう嫌だ…  ちゃんと… お願いヒョン … ちゃんと…」  腰をくねらせ、涙目で懇願するチャンミンをひっくり返して、うつ伏せにし、後ろから のしかかり、いきり立ったユノを擦りつけながら、チャンミンを握りしめた。  耳元で「チャンミナ…どっちが欲しい?」いやらしく囁いた。  ベッドに突っ伏して、シーツを握りしめたチャンミンは、すでに全身から湯気が立ち上 るくらいに上気していたが、なおも耳まで真っ赤になった。  シーツをギュッと掴んで、顔をベッドに向けたまま 「…………」  ユノは優しくチャンミンの髪を撫でながら、顔に耳を近づけた。  チャンミンはユノの耳に唇を触れながら 「ヒョンが欲しい…」消えそうな声で囁いた。  言葉の全部を聞き終わらないうちに  ユノはチャンミンの腰を軽く持ち上げて優しく入り込んだ。 「あ!」途端にチャンミンの身体がビクンと跳ねた。  待ち焦がれた悦びがチャンミンの身体を満たしていく。  ユノの指がチャンミンを優しく撫でる。  さっきとは打って変わって、チャンミンの欲しかったところを容赦なく攻め立てた。 「あーヒョン!ヒョン!ユノヒョン!!」前と後ろの両方をいたぶられ、  チャンミンは遠のきそうになる意識を必死で堪えた。 猛々しいユノに突き上げられるたびに増すユノへの愛しさ。 ヒョン…ユノヒョン…ユノヒョンが好きだ…溢れる想いが涙となって零れた。 ギューっとシーツを握りしめ、顔を埋め涙を堪えて漏れる吐息だけを吐き出した。 耳元で囁くユノの声が苦しげになる。 「ウ… チャミナ!チャミナ!好きだ!好きだよ!」 ほぼ同時に二人は果てた。  チャンミンのすぐ横にドサリと崩れ落ちたユノは、片手でチャンミンの髪を撫で、まだ ギュッとシーツを握りしめたまま、ハァハァと荒い息をするチャンミンの顔に近づいた。 「チャンミナ…?泣いてたのか?」ユノは驚いたようにチャンミンの目尻に残る涙を唇で 吸い取った。  チャンミンはベッドに突っ伏したまま動けなかった身体をようやく動かし、ユノに抱き 付いた。 「ヒョン…  僕  不安なんだよ… ずっとずっと不安な気持ちが消えないんだ…」  ユノの胸に顔を埋め、きつく抱きしめたまま、チャンミンは続ける。 「ソギョ先輩みたいにグラマーな胸もないし…それに…それに僕こんなの初めてで…   ヒョンが喜ぶ事なんて、どうすればいいかわからないし…すぐに嫌になって、僕から離れ て行っちゃうんじゃないか… って… ユ…ユチョンヒョンとアメリカで逢って、より戻したんじゃないか?って…」  チャンミンは溜まっていた不安を一気に吐き出した。 「ユチョナ?」思わずチャンミンを胸から離し、顔を見た。 「何で、今更そんな奴の名前が出てくるんだ?」 「だって、ヒョンがアメリカ行き決まってから、何度もユチョン、ユチョンって言ってた し…同じ時期にアメリカにいたんだよ…それに…それに…リュックも一緒だった………」 「リュック〜〜〜?あーだから、おまえ誰かに逢ったか?って訳わかんない事言ってたん だな…」 「ハッハッハ!」ユノはお腹を抱えて笑った。 「おまえ俺と何年一緒に暮らしてんの? 俺が誰といつ一緒に買った物か、覚えてると思 う?おまえが嫌なら、あのリュック捨てろよ!他にもあいつらと一緒のもんがあって、お まえ覚えてるんなら、捨てたらいいさ。おれは全く覚えてない。 今はこれしか記憶にな いね」  ユノはそう言って左手のリングをチャンミンに見せた。 「それに… チャンミナ… 何がそんなに不安?俺の愛し方がまだ足りない?頑張ってる つもりなんだけどなぁ〜」そう言ってチャンミンの頬を撫でた。 「違うよ!そんな意味じゃないよ!」頬を撫でる手を払った。 「じゃぁどんな意味なんだよ!」 「だ、だから…それは…」返事に困るチャンミンに ユノは優しく「チャンミナは誰が好き?」もう一度片手で頬を包み込む。 「…ユノヒョン…」チャンミンは俯いて答えた。 「俺はチャンミナが好き。一番好き」そう言いながら顔を近づける 「それでいいじゃないか…チャンミナ…それだけじゃダメなのか?」 軽く唇を合わせる。 「ずっとずっと、四六時中好きだって言ってないと、信用してもらえないのか?」 チャンミンはそう言われて、打ちのめされたような気分になった。 どうして、ユノヒョンを信じられなかったんだろう… 何がそんなに不安だったんだろう? ずっと優しくて、守ってくれて、好きだって言ってくれて、今はお前だけだって言ってく れたのに、こんなに愛してくれるのに… 「ごめん、ヒョン。そうだよ…僕…なんかおかしくなってたよ。冷静じゃなくなって、ド ンドン変な風に考えて… ごめんヒョン」そう言って、ユノに抱き付いた。  ユノは、黙って抱きしめたチャンミンの髪を撫でた。