ブーブーブーブー ユノが目覚ましの音で起き上がる 「う〜〜ん!あーぐっすり寝た。さぁ今日からツアーが始まるぞー」 ホテルのベッドの横に立ち、う〜〜んと伸びをしながら、ユノが声に出して言ったが 横で眠るチャンミンは目覚める気配もない。 「チャンミナ起こすと怖いから…」と様子を窺うがピクリとも動かず、ぐっすり眠る チャンミンにそーっと顔を近づける 「可愛い寝顔」と思わず頬にチュっとキスをする。 「ぅーん ?」 やばい!起こしちまった… 慌てて離れて素知らぬ顔をするが、チャンミンに 「何?ヒョン何か用事?気持ちよく寝てたのに」低い声で冷たく言われ 「え?なんでもないよ。何もしてないから」と 取り繕いながら 「まだ早いからもうちょっと寝てれば?」と逃げる様にベッドから離れる そーっと離れて 「あー怖かった。おばけよりチャンミナの寝起きの方が怖いよ」 ボサボサの寝ぐせでピンと跳ねた髪をボリボリとかき、トランクス1枚の姿でペタペタと 歩き出す。 「ハァー」ソファに腰をかけ、テーピングでガッチリと固められた足首をソロリソロリと 回して ”100%の状態を皆さんに見せられないのが申し訳ないけど…仕方ない…精一杯頑張る しか道はないから…   がんばろ… チャンミナもここんとこのハードな練習で疲れちゃって、昨日も自分の部屋にそそくさと 入っていくからよっぽど疲れたんだなぁーと思ってたら夜中に 「ヒョン…ドキドキして眠れない…」なんてやって来て… 可愛い顔して上目使いに見つめて…すっかりその気にさせておいて、抱きしめたら 速攻寝ちまうなんて…拷問みたいな事して… でも、ゆっくり眠れて良かったよ…チャンミナ… おまえ抱いてると安心して俺もすぐに眠れたし… ” 冷蔵庫を開けて、水を取り出しゴクゴク飲んでいると、後ろからふいに抱き付かれ ピトッと肌を寄せ、チャンミンが眠そうな声で 「ユノヒョンおはよう」寄りかかる様に、体をあずけ、肩の上におでこをのせる。 ”うーかわいい!”腰に回された手をニギニギと何度も触り、顔だけ横をむいて 「チャンミナおはよう、よく眠れた?」持っていたペットボトルをチャンミンのおでこに ピタリとひっつけた。 「つめた」顔をあげてユノに回した手を離し、水を受け取った。 ゴクゴクと水を飲みほすチャンミンを見つめ、 「チャンミナ、髪の毛クリンクリンだな…」フフっと笑いチャンミンの髪をクシャクシャ と撫でた。 「ヒョンはハネハネだよ」チャンミンも笑いながらはねる毛をつまんで持ち上げた。 「ヒョン…いよいよ始まるね… 足大丈夫かな…?僕はそれだけが心配だよ…」 「大丈夫!大丈夫!チャンミナもう全然痛くないから」 「嘘ばっかり!たまに引きずって歩いてるの知ってるんだから、絶対無理しないでよ、 ヒョン…先は長いんだし… 走ったりしちゃ絶対ダメだからね」 心配そうにユノを見つめた。 「大丈夫!大丈夫だって!そんなに心配すんなよ」ユノはチャンミンの頬をつねり、ニコ リと笑った。 「ヒョンはそう言ってても絶対始まると無茶して痛いのも忘れて走り出すんだよ… あーもう紐でつないでじっと持っていたいよ」 心配でたまらないと訴えるチャンミンを軽く抱いて、背中をポンポンと叩いた。 「ありがと!チャンミナ。これ以上心配かけないように気をつけるから」 「走ったりしたら、当分ユノヒョン完全拒否だからね!わかった?」 「完全拒否??何それーー!?何も出来ないって事?わぁーきっつい罰だなぁーそれ。 わかった、走らないようにするよ!気をつけます」チャンミンの手を取り、甲に何度も キスをした。そしてチャンミンの頬に触れ 「なぁーチャンドラー1回だけ!…  ダメ?」懇願するような目でチャンミンを見上げ 訴えるユノに 「はぁ?何言ってんの!ヒョン!今からコンサートなんだよ!何バカな事言ってんだよ」 「だけど、おまえ… 昨日もすっかりその気にさせといて、グーグー寝ちまうし…」 シュンと俯き肩を落とすユノに、チャンミンはプっと吹きだし 「ちゃんと約束守ったら、夜にご褒美あげるよ」チュッとユノの頬にキスをした。 「うん!チャンミナ!俺頑張る!いろんな意味で頑張るよ!!」 嬉しそうにうなづく、単純なユノだった。