日本と韓国での仕事を行ったり、来たり、忙しくこなすある日 韓国での撮影の仕事を終えた二人 「なぁ〜チャンミナ…海行かない?」突然ユノが子供の様に期待に 満ちた目でチャンミンの方を見て言った。 「海??どうしたの急に…そりゃ今日早く終わったし、明日もゆっくりだから 行けない事もないけど… ほんとユノヒョンは突然だなー」  慎重に考えるチャンミンに尻尾を振って、まとわりつく子犬のように 「なぁ〜行こうよー今から行けばちょうど朝日が昇るとこ見れると思うんだよなー」 「そんなに行きたいの?ヒョン??」 「ワン!ワン!」とでも聞こえてきそうにユノは 「うん!うん!」と大きく頷いた。 「しょうがないなぁーじゃぁ、…マネヒョンにそう言ってきなよ」 チャンミンは口では仕方なさそうにそう答えたが ”ヒョンとドライブも海も初めてだ”と内心ワクワクしていた。 ユノは尻尾を振ったまま「やった!」と嬉しそうにマネージャーの方へ 駆けて行った。  コンビニで各自必要と思う物を買い込み、ユノの車で出発した。 「眠くない?ヒョン、大丈夫?眠くなったら運転変わるから」心配そうに助手席で シートベルトをしながらチャンミンはユノを見た。 「何言ってるんだよーチャンミナ…眠いわけないだろ!チャンミナとやっと二人で どこかに出かけらるのに、ワクワクして車に羽はえてるんじゃないかと思うくらいだよ」 ユノはチラッとチャンミンを見て微笑んだ。 「ヒョンの車にX−Japan あったっけ?」 「う〜んどうかな?前にチャンミナが入れてたんじゃない?」 チャンミンは曲を探しながら、コンビニの袋からパンを取り出した。 「ヒョンも食べる?」 「いや、いらない、俺はこれだけでいいよ」と言いながら水をゴクゴク口からこぼしながら 飲んだ。 「また、こぼすー ゆっくり飲みなよ」そう言ってパンをくわえて鞄からハンカチを取り出し ユノの濡れた服をふく。 「ほら、キャップしとかなきゃ、はねるよ」 「どっかに落ちた」平然と答えるユノにチャンミンはあきれ顔でユノを見つめ 「ププププ…  ハハハハ!!!」と笑いだした。 「ほんとにユノヒョンは!ステージの上の完璧なユノヒョンからは想像出来ない姿だよね。 キャーユノオッパ〜〜〜って叫んでる子たちに見せてやりたいよ」 「ステージの上が完璧だから、いいんだよ!」ユノがドヤ顔でチャンミンの方を見たので チャンミンはお腹を抱えて笑った。 「ヒョンのドヤ顔ーー」 「何だよ!笑うなよ!」ちょっと拗ねたように言うユノにチャンミンの笑いは ますます大きくなった。 そして、袋からおにぎりを取り出した。 「これは?いらない??」 「プッ!チャンミナまだ食うの??出る前にも弁当食べてたじゃん!」 今度はユノが笑いながら聞いた。 「まだまだあるよ。ヒョンの分もあるから。腹減って機嫌悪くなるよりましだろ?」 チャンミンがおにぎりを頬張りながら澄まして言ったので 「たしかに…寝起きと腹減った時のチャンミナ…怖いから…」 「あ!そういえば今日さ…」 そんなたわいのない会話を繰り返し、車は海へ向かい、ようやく到着したのは 日の出よりも少し早い時間だった。 1台の車がピッタリとついてきていたが、二人は全く気付かなかった。 「海だよ!海!チャンミナほら海だよ!!!」ユノは車を停め、すぐさま飛び出し 浜辺に向かって走り出した。 「見えてますよ。ちゃんと」チャンミンは車から降り、 「あーーーー」と大きな伸びをして 「ちょっと寒いけど、気持ちいい」 大きな荷物を持ち、ゆっくりとユノが走って行った方へ歩いていく。  ユノの車からはちょうど死角になる位置に張り付いて来ていた車が停まった。 「チャンミナー暗いから気をつけろよーー」そう言いながら、誰もいない海辺を 走るユノ。 「ヒョンこそ、走って怪我しないでよ!」 「チャンミナも来いよ〜」と波際ではしゃぐユノがチャンミンを呼ぶが 「濡れたくない」と遠くからユノがはしゃぐ姿を楽しそうに見ていた。 「日の出はまだかな…」スマホを取り出し、時間を調べる。 「後、10分だな…  ヒョーーン!あと10分で日の出だよ」 「お?そうか?ちょうどいいタイミングだったな」 ユノはそう言いながら砂浜に打ち上げられた色々な物を探しては ポケットに入れたり、ポイッと戻したりを繰り返していた。 「あ!いいのみっけ!」と拾った木の枝で線を書くように引きづりながら チャンミンのそばまで来た。 チャンミンは近づいてくるユノをニコニコと見つめながら ”そうだ”と荷物からシートを取り出し、砂浜に敷いた。 「ギャハハハ…チャンミナでっかい荷物だと思ったら、そんなもんまで買ったの? さすがだな」 「砂だらけになるの嫌ですからね。ちゃんとはらってから座ってくださいよ、ヒョン」 ユノはササッと足元の砂を落とし、シートの上に腰を下ろした。 ポケットからおもむろにさっき拾った物を取り出すと、もうそれだけでシートの上は 砂だらけになった。 「あーあ」シートの上に零れた砂を必死ではらうチャンミンに 「ほら!これ見て見ろよ!ほら綺麗だろ!?これ」 ポケットの中から石や貝殻を取り出し、嬉しそうに説明し出すユノを見て チャンミンは”ユノヒョンかわいい…  この人いったいいくつだっけ?」 飽きる事なく、説明を続けるユノをじっと見つめていると、辺りが 明るくなった。 「あ!日の出だよ!ヒョン」 「ほんとだ!そうだ!忘れてた!」と言い、ユノはさっき拾った小枝で シートの周りに大きく線を引いた。 少し離れた位置から見て、確認し 「よし!完璧!」引いた線を踏まないようにピョンと飛び越え チャンミンの隣に座った。 押し上げられるように昇ってくる朝日を見つめながら ”チャンミナを幸せにします!” ”ユノヒョンと一緒にずっと頑張ります” そう心に誓う二人だった。  チャンミンがシートに置いた手にユノが手を重ねて指を絡めた。 じっと太陽を感慨深げに見ていたチャンミンがパッとユノを見て 「来て良かったね!ヒョン!」と幸せそうに、嬉しそうに言った。 その顔にユノはドクンと胸が脈打ち、思わずチャンミンを引き寄せ キスをした。 チャンミンは目を閉じ、それに応えたが、ユノはすぐに唇を離し おでこをコツンとあわせて 「車に戻ろう」と言って立ち上がった。 「え??ヒョンもう帰るの?」 「明るくなったし、そろそろ人が来そうだし…色々やばいから」 そう言いながら、遠くを見たユノの視線の先を見ると、遠くの方に 犬を連れて歩く人の姿が小さく見えた。 「ほんとだね」チャンミンも立ち上がり、シートを片付けると そこにはユノが引いたハート型のラインだけが残っていた。 「フフッ ユノヒョンお茶目だな…」 手早く片付け、大きなカバンを持ち、先を歩くユノを追いかけた。 ガシャ!ガシャ!ガシャ!ガシャ! シャッターの連続音が車の中に響いている。 「おい!!撮ったか!?今の!!ちゃんと撮れたのか!?」 「いや…遠いし…後ろ姿だしな… 二人だと認識できるかどうか…」 「はぁーーー驚いた!!!」一人の男の前のめりになっていた体が シートにドサリと倒れた。 「まさか、あんな訳わかんない電話でこんな大スクープ撮れるなんて!!!!」 「大変な事になったな!おい!!!」