「チャンミナ昨日はごめんよ。今日は久しぶりに早く終わったしゆっくりできるな」 ユノが帰り支度をしながら、チャンミンの方を見て微笑んだ。  ユノがそう言ってくれたことが嬉しくて、チャンミンは何も言わずに微笑み返した。 二人で車に乗り込み、帰る途中ユノの携帯がなる。  チャンミンの顔がゆがみ{まただ…きっとまた僕は置いていかれるんだ}思わず俯く。 「もしもし、はい あーヒョン…  今日はちょっと…」チラッとチャンミンの顔を覗い わざとそっぽをむくチャンミンを見てユノは 「ヒョンほんとにすみません、今日は無理です…はいまた連絡します」 電話を切ったユノにチャンミンは 「ユノヒョン、ホジュンヒョンからだろ?良かったの?断って…」心配気に聞いた。 「今日はおまえといるって決めたんだから」小さな声でそう言い、そっとチャンミンの手 に自分の手を重ねた。チャンミンは重ねられた手に視線を落とし、嬉しさで頬が緩んだ。 「マネヒョン!お疲れ様でした。もうここで」これ以上ついてくるなよ!とでも言うよう に、ユノは車のドアをさっさと閉めて、マネージャーに挨拶した。 「強引だな、ユノヒョン。マネヒョンがびっくりした顔してたよ」そう言ってチャンミン は笑った。 「だって、もう我慢出来ないしさ、そんな時にマネヒョンについてこられたらどうなって たか」ユノはチャンミンの腰に手を回して、ぐっと引き寄せながらマンションの廊下を歩 いた。 「ヒョン、ダメだよ…こんなとこで…どこから見られてるかわからないんだから」 腰に回された手を解きながら、チャンミンはユノから少し離れた。 「全く!気の休まるとこがないよな…チャンミナ…全世界に発表しちゃおうぜ!俺ら二人 は結婚しました!って」玄関のドアを開けようとするチャンミンの肩に後ろから顎を乗せ て、ユノがため息まじりにつぶやいた。  チャンミンはその言葉を聞いて、玄関に入ってすぐに振り向き、ユノに抱きついた。 「ユノヒョン、ほんとにそう思ってる?みんなに僕らの事言ってもいいってほんとに思っ てる?」背に回す手に力を込めて言うチャンミンにユノはびっくりして 「どうしたんだよ、チャンミナ、そう思ってるよ。あの教会でプロポーズして、チャンミ ナがOKしてくれた日からずっとみんなに言ってしまいたい!って思ってるさ!おまえま だ俺のこと信用できないのか?そんなに嘘つきじゃないぜ?神様の前で、ずっとチャンミ ナと一緒に歩いて行きます。って約束したんだから」 「そうだね、ヒョン… ユノヒョンはまだ1回しか嘘ついてないもんね」 チャンミンはフフっと笑ってユノの頬にキスをした。 「わぁ〜まただよ〜もういい加減それ許してくれよー!悪かったよ、俺が悪かったから」  二人は笑いながらキスをかわした。段々激しくなるキスにチャンミンは急に笑い出し、 「ヒョン!僕らまだコートも着たままで、ここ玄関だよ」 「ハハハ!!ほんとだな。そんなに焦らなくてももう逃げないのにな。なぁチャンドラ 風呂一緒にはいろ。な?俺が綺麗に洗ってやるよ…」 「プッ!!!ヒョンいつもそう言って、ちゃんと洗ってくれたためしないじゃないか」 そう言いながらも、ニコニコとユノの方を見て微笑むチャンミンだった。 「チャンドラ〜!チャンミニ〜!早くこいよ〜〜〜!」 浴室の中から大きな声でユノが叫んだ。 「ほんとに入んの?狭いから嫌だよ。ゆっくり入りたいから、今日は嫌だ」 チャンミンが冷たくそう答えると 「え〜何だよーすっかりその気になってんのにー!!いいから来いよ!来いってば来い! チャンドラー早く〜」 しつこく叫ぶユノに呆れてチャンミンは 「あ〜〜もう!うるさい!わかったよ!行くよ!行けばいいんだろ!」 「そうそう…最初から素直にそう言えばいいんだよ。ほんとは入りたいくせに!」ユノは ニヤニヤ笑いながら一人つぶやいた。 その声が聞こえたチャンミンは怒って 「入りたくない!って言っただろ!!ユノヒョンがわがままでうるさいから、来てやった んだよ」と入ってくる。 先に湯船につかるユノに向かい合わせになるようにチャンミンが座った。 「何だよ。それ…なんでそっちいくんだよ」ふくれたようにそう言ってから 「ま、いいや…それなら足から洗ってやるよ。はいチャンミナちゃん、綺麗にしましょう ね〜じっとしててよ〜〜動いちゃだめでしゅよ〜〜」 「ヒャハハハ… ユノヒョン何だよーそれ赤ちゃんごっこ??」 「は〜〜い、いい子でしゅからね〜〜黙っててちょうだいね〜〜」 「ギャハハハ 面白ーい」 「何?チャンドラ気に入った?良かったでしゅね〜。はい洗いましゅよ〜、足伸ばしてく だしゃいね〜」ユノはチャンミンが曲げていた足を引っ張り足の裏をマッサージし出した。 「ユノヒョン、どうしたんだよ。今日はえらくサービスがいいじゃん」 「別に… いつも優しいだろ〜」 「ヒョンは優しいよ…」…   …誰にでもね…   ユノが突然向かい合うチャンミンの首筋を持って引き寄せ抱きしめた。 「ほらまたそんな寂しそうな顔する。悪かったよ…チャンミナ…早く帰ろうと思ったんだ けど、先輩がすごく落ち込んでて、帰りにくかったんだよ」チャンミンの耳元で囁く。 「別に寂しくなんかなかったさ、一人で好きなことしてたよ。うるさくまとわりつくヒョ ンがいなくて、レゴが沢山出来たしね」 そう小さく言いながら、引き寄せられたユノの首に両腕を回す。 「チャンミナ…」ユノはチャンミンの首筋に顔をうずめ、舌を這わせた。 「なんだ…ヒョンもうマッサージは終わり?綺麗に洗ってくれるんじゃなかったっけ?」 「これで綺麗にしてやるよ」そういいながら、舌をペロペロと動かした。 「ヒョン…結局いつもと一緒だったな…フフフ」ベッドでユノの胸元に顔をうずめたまま 笑った。  ユノはチャンミンの髪を撫でながら、「そんな事ないよ。いつもより丁寧に舐めたよ」 自信満々に言うユノにチャンミンは一際高い声を出して、笑った。